眠れない不眠症の原因は?自分の不眠タイプを知る

どんな時でも横になって速やかに眠れる人がいますが、何となく寝つきが悪いという人は少なくないと思います。一方で「布団に入っても2時間以上入眠できない=入眠障害」「入眠してから意図する起床時間までに途中2回以上目覚めてしまう=中途覚醒」「起床時に熟睡感が得られない=熟眠障害」「起床時間より2時間以上早く目が覚めてしまう=早朝覚醒」という症状のタイプのどれかまたは複数に当てはまり、それが継続している人も多く存在します。

いずれのタイプであってもそれが1週間続くようなら不眠症の可能性があります。睡眠が足りていないと様々な問題を引き起こすからです。たとえば集中力の低下が考えられるでしょう。この場合は、判断ミス・記憶力の低下・怪我・事故につながることがあります。勉強や仕事にもパフォーマンスの低下という形で弊害が現れるでしょう。したがって治療が必要となります。

治療は、精神科や心療内科を受診します。睡眠薬・睡眠導入薬の投薬や認知療法などが行われます。それから大切なのは、患者自身が自分で不眠症の原因を探ることです。

眠れないのはどうしてか。原因のひとつには、何らかの問題を抱えているということもあるでしょう。常にその問題が頭から離れず悶々としてしまう。そうした場合はまず、問題点の解決に向けて行動するべきです。また問題点とは自分自身にかかわることだけではなく、複数の人が同時にかかわっていることが多いものです。その場合は話し合いをし、問題を共有し、解決策を関係者全員の責任で検討すべきです。そうすれば解決に至らなくても困っているのは自分だけじゃないと分かって安心するものです。

別の原因としては、それが何らかの病気と関係しているということです。すぐに思い当たるのは、うつ病などの精神疾病です。不眠が引き金となってうつ病を発症することもありますし、うつ病の症状として不眠症が現れることもあります。交感神経と副交感神経とのバランスの悪化が関係していると考えられています。

不眠には生活習慣病も関係する

そしてもうひとつ、生活習慣病との関わりも忘れる訳にはいきません。生活習慣病は基本的に次の6つです。糖尿病・脳卒中・心臓病・脂質異常症・高血圧・肥満がそうです。生活習慣病は、睡眠の質と大きな関係があることが分かってきています。例えば入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害のうち何らかの症状がある人は、糖尿病のリスクが1.5~2倍に高まると考えられています。生活習慣病は生活の質と大いに関連していて、その一要素として睡眠の質が関係してくるという訳です。

さて眠れないという症状を訴えると、夜更かし他の生活習慣のせいだ、と反論されることもあるでしょう。もちろん自堕落な生活をしていて眠るべき時に眠らないというのも眠れないもとになりますが、実際はもっと複雑です。

例えば製造業などの現場では、交代勤務によって一週間ごとに昼夜逆転を強いられる労働者がいます。生理的には眠るべき時間に眠る、夜11時から2時までの間は必ず眠っていることが、修復ホルモンや疲労回復ホルモンの分泌に欠かせません。夜働いて昼間眠る人は、こうした点で不利になります。また昼間は睡眠には何かとふさわしくない事情もあるはずです。そうして無理を続けるうちに、睡眠の質が悪化して不眠症になるというのは大いにありうる話です。

そして眠れないという状態を放置していると、先述の通り糖尿病のリスクが高まったり、睡眠の質の低さと関連して睡眠時無呼吸症候群に陥って、高血圧・心不全・虚血性心疾患・脳血管障害という問題を引き起こします。

生活習慣病は、特に中年期以降の生活の質を大いに低下させるリスクがあります。食事・運動に気を配る他、眠れないことに注意を喚起し、睡眠の質を向上させる工夫をしていく必要があります。

自分がどのタイプの不眠症なのかを知り、さらに大きな健康上の問題に直面することのないように、医師の指導のもと原因の把握と対策をキチンと行いましょう。